12 登録免許税の計算

登録免許税の計算は難しいか

今回は、登録免許税の計算のことを中心に記述します。登録免許税の概要などは、よくある質問(相続登記の費用 Q3)で触れているので、ご参照ください。
まず、登録免許税とは、国の機関に物の登録や登記をするとき、または人の国家資格の登録をするときに、納めなければならない税金(国税)です。不動産については、権利の移転などの権利の登記が課税対象となっています。一部を除き表示関係の登記には、課税されません。
さて、最近では登記の申請を、一般の人が自力で行うことが、昔に比べると多いようです。申請書や添付書類の用意は、法務局が行っている相談(今は登記手続き案内という)を利用したり、ホームページから取得することにより、なんとかなります。そして、その作成も様式の説明に沿ってすれば、なんとかできるでしょう。(登記の難易度に伴う差や個人差はありますが)ただ、順調であっても、最後に引っ掛かるのが登録免許税の計算です。抵当権抹消などの不動産の個数を基準にする登記(1筆、1000円)は、悩むことはありません。その一方、所有権の保存や移転の登記で、登録免許税を計算して額を出すことが、一般の人にとっては難しく感じるようです。通常は、基準となる課税標準額(固定資産評価額)に、決められた税率を掛ければすぐ出ますが、簡単に出せない場合もあります。一例として①固定資産の課税面積と登記記録の面積が異なる場合、②固定資産の評価が0円の場合、③登記記録にはあるが、固定資産では未評価の建物がある場合、④免税や減税の適用が可能な場合、等です。それぞれ簡単に説明します。①は建物の床面積が固定資産と登記とで違っているので、単純に固定資産の額を基にできません。どちらの面積が多いかにより、法務局が示す細かな基準に沿って計算しなければなりません。②は公衆用道路等の固定資産の評価が0円のもので、これをそのまま使い登録免許税を0円とすることはできません。別途、登記官が価格認定した証明等を取得して、やはり、法務局が定めた方法により、計算することになります。③は市町等が固定資産として把握できてなく、課税台帳に載っていない建物です。これも特別の方法で、登録免許税を出していきます。⑤は登録免許税法や租税特別措置法により、登録免許税が非課税や軽減されるものです。一律に適用となるケースと、定められた証明書を添付することが必要なケースとがあります。(例;土地の売買による所有権移転登記の登録免許税の税率は1000分の20のところ、令和8年3月31日までは一律1000分の15となる。ただし、その適用される根拠を申請書に書く必要あり。相続登記の場合はよくある質問(相続登記の費用Q4)参照)
以上、登録免許税の計算について説明してきましたが、どうでしょうか。その多くは単純に、固定資産税の明細書などを見て、出ている金額を足して掛ければ、出る額だとは思います。中には、先に述べた通り、単純にはいかないものがあるということです。法務局の登記手続き案内では、担当者と対面で案内を受けることができますが、あくまで一般的なことの説明が主なので、個別に登録免許税の計算までしてくれないと思います。自分で出した額の確認も、してくれるかどうかは分かりません。とりあえず申請すれば、登記官が正しい額を出し、額が多ければ還付されますし、少なければ追納できます。どちらにせよ、損をすることはありません。
皆さんの中で、相続登記等の申請をご自分でしようとお考えの方は、この記事の内容を頭の隅に置いておいてください。何かの役に立つかもしれません。そして、どうしても自分では無理だと断念した方は、ぜひ司法書士にご依頼いただければと思います。

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